ライチの旬や美味しい季節、栄養や効用について

あらまし

茘枝はムクロジ科の常緑高木でレイシとも呼ばれます。原産地は中国嶺南地方で古くから中国で食され、かつての唐の時代の皇妃、楊貴妃にも愛されていました。

果皮を剥くとあらわれる白色の仮種皮が食されます。仮種皮の中心にある種の核はうがい薬や咳止めとして用いられるなどして民間療法でも珍重されています。果実には甘みとともに良い香りがあるため酒類の香料としても用いられています。

熱帯で水はけ・水持ちの良い土地を好むため、中国や東南アジア、オーストラリアで商業的な栽培が進んでいます。日本国内に流通している生のものはほとんどが台湾産です。

国産品としては沖縄県などで栽培されたものをわずかに店頭で見かけることができるだけです。耐寒性が高いため九州地方など温暖な地域で栽培がひろがれば今後は国産の茘枝も一般的なものになってくるかもしれません。

旬の時期

初夏の6月頃から出回りはじめ、7月頃までが旬です。

栄養成分

糖質がほとんどですが、ビタミンCや葉酸のほかミネラルとしてカリウム、銅などを含みます。

効能

ビタミンCがコラーゲンの生成を促すため肌のハリを保つ効果が見込めます。またメラニン色素が皮膚の中で作られるのを抑制し、シミの予防効果もあります。

そしてビタミンCは抗酸化作用も併せ持つため細胞の老化を食い止めることが出来ます。

ほかに特筆すべき特性として葉酸の含有量が多いことがあげられます。その量はキウイフルーツの３倍にもあたり、貧血の予防に効果的です。

伝統的な薬膳フルーツとしての茘枝には、血液を増やして身体をあたため、気の流れをととのえる効能があるとされてきました。その裏づけが葉酸の効能で説明できます。

形や色の特徴

果実の直径は約2cmから3cmの球形で外皮は赤く特徴的なうろこ状をしています。

代表的なレシピ

ライチの生はあまり日持ちはしません。ですから余ったものはジャムにすると良いでしょう。ライチの果肉に砂糖とはちみつ、クエン酸を加えたものを鍋で好みのかたさになるまで煮れば香りの良いジャムが出来ます。

ライチそのものの甘さを生かしたければ砂糖を少なめにすれば自然な仕上がりになります。

家庭における保存方法

常温で保存しようとすると皮の色が変色して味も落ちてしまいます。新聞紙で包んでから穴を空けたポリ袋にいれて保存すると、1週間ほどの保存が可能です。軸がついているようであればそのまま切らないほうがより新鮮に保存できます。基本的に熱帯植物であるため、長期保存にはあまりむいていないので4〜5日で食べきるようにしてください、

味はやや落ちるものの、冷凍保存も可能です。皮がついたままフリーザーバッグに入れて冷凍庫で保存してください。

店における食べ頃

旬は6月から7月までです。熟して赤色になったものが食べ頃です。食べる直前に冷蔵庫でよく冷やしておくとすっきりとした味わいが楽しめます。
ビタミンCやミネラルがが多く含まれていることから美容の面で女性の強い味方です。

茘枝をお酒に漬け込んで香りを移したものは茘枝酒として知られ、中華料理系デザートの仕上げに香り付けのために使われることが多く、もちろんそのままお酒としても芳醇な香りを味わえることから人気があります。