マンゴスチンの旬や美味しい季節、栄養や効用について

あらまし

マンゴスチンはフクギ属の常緑高木で東南アジアが原産地です。木は成長すると25mにも達します。花は花粉をもたず単為生殖でふえるため基本的に亜種を持ちません。

果実のうち赤紫色の厚く硬い外皮（食用とはならず色素が薬や染料として用いられます）を剥いた白っぽい仮種皮の部分が食用となります。

果肉はやわらかく、甘さとともに程よい酸味とのバランスが良く、ライチと似た味を持ち「果物の女王」とよばれることもあります。

マンゴスチンはドリアン・チェリモヤと並んで世界三大美果のひとつに数えられており、それは19世紀にイギリスを支配していたビクトリア女王の大好物であったことからも裏付けられます。

高温多湿の熱帯気候を好むため栽培域は限られていて東南アジア、南アジア、中南米など熱帯地域でのみ栽培が可能です。

日本では沖縄でもまだ栽培に成功しておらず、以前は冷凍物のみ流通していました。2003年にようやく生果の輸入が解禁されたことで生のマンゴスチンが楽しめるようになりました。

すべてタイからの輸入に頼っています。しかし2013年の輸入量は99.4トン、輸入額は7,139万円とまだ少ないのが現状です。

旬の時期

4月から7月までが旬です。生のものを入手したければ足繁く生果店を訪れましょう。

栄養成分

仮種皮の部分は糖質が大部分でビタミンB群、ビタミンCやミネラルとしてカリウム・マグネシウム・亜鉛・マンガンも含みます。外皮にはポリフェノールが豊富です。

効能

赤紫の外皮は東南アジア地域では伝統的な民間薬として用いられてきました。薬効は殺菌作用・解熱作用・抗酸化作用などがあるとされていました。

近年の研究でこれらの効果はポリフェノールの一種であるキサントンの薬理作用であることが明らかになりました。

キサントンは強力な抗酸化作用を持ち、がん抑制物質としても注目されている物質です。またコレステロールの低下作用も併せ持ちます。

形や色の特徴

球形をした６〜８cmほどの紫色の実の上に柿を思わせる大きな緑色のへたがついているのが特徴です。外皮を剥いた仮種皮はみかんのように房状にわかれています。

代表的なレシピ

生食が理想ですが生のマンゴスチンの輸入量はまだ少なく、手に入りにくい面もあります。冷凍されたものをしばらく解凍し、シャーベット状になったところをいただくのも美味しい召し上がり方です。

家庭における保存方法

濡れた新聞紙やキッチンペーパーでくるんでから、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存してください。熱帯植物の特徴としてあまり日持ちはしないので2、3日以内に食べるようにしましょう。
　
味は落ちてしまいますが冷凍保存することも出来ます。がくをはずし果皮はついたままでフリーザバッグに入れて冷凍してください。解凍するには冷蔵室に移して2時間ほど待ちましょう。常温解凍はせっかくの果汁がしみだしてしまい、味がおちる原因になるので避けたほうがよいでしょう。

店における食べ頃

生のマンゴスチンは4月から9月頃まで出回ります。最もおいしいのは4月から6月です。

果皮の色が赤紫色をしているものが完熟のサインです。果皮に水分があり、柔らかく弾力のあるものが食べ頃です。また実の上についているがくが緑色のものを選びましょう。古くなるとがくの色は黄色がかってきます。

日本には2003年の輸入解禁までは冷凍ものだけが輸入されていましたが現在では生果も流通しています。
　
＊果皮をむく際に紅い樹液が衣服につかないよう注意しましょう。マンゴスチンの果皮の樹液は染料にも使われるものであり、洗ってもなかなか落ちません。